Column 06 ░ 素材の錬成

ホームページ制作前に準備すべきもの
——原稿・写真・素材の話

「ホームページを作りたいけれど、何を用意すればいいのか分からない」—— これは非常に多いご相談です。そして実際、制作が止まる原因の第1位は「原稿と写真が揃わないこと」。 逆に言えば、ここさえ押さえておけば制作は驚くほどスムーズに進みます。
本記事では、発注前に準備すべきものと、準備できない場合の現実的な対処法を解説します。

準備物リスト:最低限これだけ

まず全体像です。すべてを完璧に揃える必要はありませんが、 「あるもの・ないもの」を把握しておくだけで打ち合わせの質が変わります。

項目必要度備考
会社の基本情報 必須 正式社名・住所・電話・メール・営業時間
掲載したい内容の箇条書き 必須 完成原稿でなくてよい
参考サイト2〜3件 必須級 方向性を伝える最速の手段
ロゴデータ あれば できればai/svg等の元データ
写真素材 あれば なければ素材購入や撮影で対応
既存サイトの情報 該当時 ドメイン・サーバーの管理情報

原稿は「完成品」でなくていい

最も多い誤解がこれです。きれいな文章を書き上げてから渡さなければと思い込み、 その結果、数週間から数ヶ月も着手が遅れてしまう。

実際には、箇条書きのメモで十分です。文章として整えるのは制作側の仕事です。 むしろ、飾らない言葉で書かれたメモのほうが、その会社らしさが伝わることも多くあります。

こう書けば伝わる

特に「よく聞かれる質問」は宝の山です。 それは見込み客が検索する言葉そのものであり、そのままコンテンツになります。

写真をどう集めるか

写真は、サイトの印象を大きく左右します。選択肢は4つです。

方法費用特徴
自社で撮影 0円 実物の信頼感。スマホでも明るい場所なら十分
プロに撮影依頼 3〜15万円 品質は最も高い。人物・店舗撮影に有効
有料素材サイト 1点数百円〜 品質が安定。イメージ写真向き
無料素材サイト 0円 他社と重複しやすい。利用規約の確認必須

おすすめは「実物写真+素材写真」の組み合わせです。 スタッフや店舗、実際の作業風景は自社で撮り、 抽象的なイメージ部分は素材で補う。この配分が、信頼感とコストのバランスに優れます。

// スマホ撮影のコツ

明るい場所で、横向きで、少し引いて撮る。この3点だけで見違えます。 暗い写真は加工でも救えません。晴れた日の日中、窓際で撮ってください。

「何も用意できない」でも大丈夫です

うっかり企画では、ヒアリングをもとに取材・原稿作成まで代行します。
素材がないことを理由に、着手を先延ばしにする必要はありません。
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著作権で事故を起こさないために

ここは必ず押さえてください。実際に賠償請求へ発展する事例があります。

やってはいけないこと

意外な落とし穴

無料素材サイトでも、商用利用不可クレジット表記必須の条件が 付いている場合があります。「無料=自由に使える」ではありません。利用規約は必ず確認してください。

また、お客様やスタッフが写った写真を掲載する際は、 本人の許可を取ってください。肖像権の問題が生じます。

ロゴ・ドメイン・既存素材の扱い

ロゴデータ

名刺や看板に使っているロゴがあれば、元データを探してください。 拡張子が ai / eps / svg のファイルが理想です。 画像(jpg / png)しかない場合、拡大すると粗くなるため、作り直しが必要になることがあります。

ドメイン

既にお持ちなら、管理会社と管理画面のログイン情報を確認しておいてください。 「前の制作会社が取得したまま連絡が取れない」というケースが実際にあり、 その場合サイトを移せず苦労します。

新規取得の場合、年間1,000〜3,000円程度が一般的です。 会社名や事業内容が想起できる短い文字列が望ましく、 .com / .jp / .co.jp などから選びます。

既存サイトがある場合

作り直しの際は、既存サイトのアクセスデータが貴重な資料になります。 Google Analytics を導入していれば、どのページがよく見られているかが分かり、 新サイトの設計に活かせます。

準備できないときの3つの選択肢

「そこまで手が回らない」——それが普通です。本業がある以上、当然のことです。 選択肢は3つあります。

  1. 制作会社に取材・原稿作成を依頼する——最も現実的。1〜2時間のヒアリングに答えるだけで、あとは制作側が形にします。別料金の場合が多いので見積り時に確認を
  2. まず最小構成で公開し、後から足す——完璧を目指して1年公開できないより、6割の完成度で公開して育てるほうが、確実に成果につながります
  3. 既存資料を丸ごと渡す——会社案内、パンフレット、名刺、これまでの提案資料。すでにある素材から、制作側が抽出できます

最も避けるべきは、準備が整わないことを理由に、着手そのものを止めてしまうことです。 その間も、見込み客はあなたの会社を検索し、見つけられずに他社へ流れています。

// この記事のまとめ

原稿は箇条書きで十分。写真は実物+素材の組み合わせが最適。 ネット上の画像流用は絶対に不可。 そして準備が整わないなら、取材・原稿作成を依頼するのが最短ルートです。

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